真宗大谷派西蓮寺 樹心日曜学校が創立100周年

真宗大谷派西蓮寺

 

樹心日曜学校が創立100周年

児童の家族や地域の人々に支えられ

 

真宗大谷派の西蓮寺(滋賀県草津市)が営む「樹心日曜学校」が創立100周年を迎えた。日曜学校で引き継がれてきた願いを次の世代にも受け継いでほしいと、子どもや家族、門徒ら約80人が集まり、「100周年記念報恩講の集い」を5日に開催した。(写真)

樹心日曜学校は、先々代住職の上寺喜了師が1919(大正8)年に始めた。一昨年の親鸞聖人750回御遠忌法要を迎えるにあたり、本堂修復と書院新築を計画し、本堂修復に取りかかる6年前、整理したたんすの引き出しから大正8年と記された和綴じの「出席簿」が見つかった。(写真)そこには西蓮寺のある上寺町の先人の名前や、80、90歳代の近隣の人たちの名前も記載され、今年で100周年を迎えることがわかった。

喜了師には多くの子どもがいたが、戦争と病気で亡くし、草津の最乘寺(本願寺派)から養子に入った祐方師が、教員をしながら坊守のスエノさんと共に日曜学校を受け継いできた。和親現住職もかつては役所に勤めながら坊守・春美さんと共に継続し、今は長女の恵美さんと婿の孝之さん、地域の人たちにも支えられ、月に一度の活動を行っている。

発見された「出席簿」には喜了師による「泣カヌ、鼻タレヌコト」「神仏先祖ヲ大切ニスルコト」などの心得のメモ書きも残されていた。記念の口演童話を行った近藤章西心寺住職(長崎県佐世保市)も心得を見て感動し、「土徳ある地域の方々の要請に応え、愛されてきた日曜学校だからこそ、100周年を迎えることができたのだろう」と話した。

当日は、過去の記念写真が本堂に飾られ、本山での奉仕宿泊、登山や飯ごう炊飯、アイススケート、境内でテントを張って寝たときの思い出など、参列者は楽しかった当時を思い出しながら、 これからの子どもたちの未来に思いをはせる集いとなった。

式典では本尊前で、本山から送られた祝辞を各世代の代表者がリレー形式でバトンタッチを行い、次の時代への継承を誓った。また、キャンドルの供灯や、親子での合唱など、楽しいひとときを過ごした。

上寺和親住職は「100年間続いたのは、日曜学校に通ってくれた児童はもちろん、その家族や地域の方々の『今日は日曜学校だからお寺に行っておいで』との呼び掛けがあったから。目には見えないものに動かされ、子を思う人々の思いがつながって、皆さんの支えをいただいて100年間も続けることができたと、感動している。今後も支えをいただきながら、一生懸命、皆さんと共に親鸞聖人の念仏の教えを聴聞していきたい」と語っている。