天台宗 滋賀教区十王寺で特別授戒会

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滋賀教区十王寺で特別授戒会

檀信徒60人が“おかみそり”の勝縁

 

天台宗滋賀教区の十王寺(湖南市・藤支良道住職)で13日、祖師先徳鑽仰大法会の特別授戒会と結縁灌頂が営まれた。檀信徒60人が伝戒師の叡南覺範毘沙門堂門跡門主から“おかみそり”を授かり、勝縁を喜んだ。

特別授戒会は、滋賀教区の山岡智恢前宗務所長が奉行、10月1日に就任したばかりの安藏玄周宗務所長が戒行事を勤め、授戒会の前には、随行長の小堀光實延暦寺執行が挨拶した。前日には、台風の中で水尾寂芳延暦寺副執行が説戒を行った。結縁潅頂は12人ずつ五会勤めた。

叡南門主は授戒後、恵心僧都の『往生要集』の一節を挙げ、「私どもはいつも奇麗な心ではいられない。仏さまは泥の中から奇麗な花を咲かせる蓮のように、奇麗な心で人々の念仏を受け取ってくださる。仏さまのお心を受け止め、念仏唱える生活を」と述べた。

同寺は奈良時代に創建された湖南三山・長寿寺の本坊で、円頓授戒は47年ぶり。10年がかりで書院建設を手掛け、2年間の準備期間を経て特別授戒会に臨んだ。藤支住職は「檀信徒の皆さんが強い思いを持って進めてくれた。大法会のご縁に執行できてありがたい仏縁をいただけた。まだ60人が本堂の都合で受けられておらず、5年以内にでも再度行いたい」と話していた。