総本山知恩院 令和天皇即位で慶祝法要

総本山知恩院

 

令和天皇即位で慶祝法要

門跡ら名号松を植樹

 

総本山知恩院は22日、今上陛下御即位慶祝法要と名号松植樹法要を、伊藤唯眞門跡の親修で営んだ。

「大永の御忌鳳詔」を発して御忌大会を営むように命じた後柏原天皇など、知恩院は歴代天皇と縁の深い門跡寺院のため、「即位の礼」の挙行を慶ぶ法会を勤め、併せて“天下泰平、万民法楽”を願った。法然上人御堂(衆会堂)で営まれた慶祝法要には山内関係者、おてつぎ奉仕団員ら約70人が参列。限定の御朱印が授与されることもあり、一般参拝者も約400人が集まった。

伊藤門跡は表白で、法然上人の徳が広く知られ、歴代の朝廷が帰依したことを伝え、安泰な世の中になることを願った。井桁雄弘執事長は「平成の天皇陛下は、30余年の間に戦後の慰霊や被災者へのきめ細かい気遣いなど、国の象徴として国民のために尽くされた。令和の天皇陛下も国民のために尽くされる優しい方で、国民も安心できると思う」と語った。

慶祝法要後は、来年4月に落慶する御影堂前に名号松の植樹の法要を営み、(写真)伊藤門跡や井桁執事長らが土入れを行った。御影堂の大規模修理前も、鳥取県の願行寺が昭和50年代に寄進した名号松が植えられていたが、工事に伴い移植されていた。

御影堂正面の大香炉を挟む形で東西に植樹された松は幹が根元から6本に分かれており、南無阿弥陀仏の6字に見立てた。大﨑順敬総務部長は「人の手が入らず自然に根元から6本に分かれた松を探して、小林造園さんが寄進を申し出てくださった。落慶を控えた令和元年の即位の礼の日に植樹したことは知恩院史に残り、御影堂前の松がいつ植えられたのかが後世の人にも容易にわかる」と話した。