臨済宗建仁寺派圓徳院 歌仙堂を特別公開

臨済宗建仁寺派圓徳院

 

歌仙堂を特別公開

杉天井板に記される歌仙を復元

 

臨済宗建仁寺派の圓徳院は、京都三堂の一つ、歌仙堂の杉天井板を修復し、100年以上前に記された歌仙を復元した。修復完了を記念して4日まで特別公開し、3日には特別法要を営む。

歌仙堂は、北政所のおいで歌人の木下長嘯子が約400年前、東山霊山に建てたものを、1919年に圓徳院に再建した。約3m四方の方形屋根建物で、36枚の杉の天井板には、さまざまな表現方法で歌仙が書かれている。歌人の冷泉為紀が揮毫したとされるが、歌仙堂は再建か移築かは判明しておらず、天井板も100年以上前に書かれた可能性があるという。

大里宗之京都佛画研究所代表絵師が修復を担当。赤外線写真を使用し、経年劣化で読み取りが困難な墨字や赤、青の金箔、白の雲母砂子などを鮮明に復元した。

修復を終えた歌仙堂は、後藤典生閑栖住職から後藤正晃住職へと管理が引き継がれる。

正晃住職は歌仙堂の特別公開について「木下長嘯子は、人生とは無常の世界だと歌った方。400年前から変わらない、今の時代も共通する考えに思いを馳せてほしい」と述べた。歌仙堂の活用については、今後検討していくという。

3日に営まれる法要は午前11時から。特別公開中は修復記念として特別限定御朱印を無料で配布し、4日には多色蜻蛉玉の製作体験も行う予定。