真宗大谷派難波別院 山門一体型ビルがグランドオープン

真宗大谷派難波別院

 

山門一体型ビルがグランドオープン

かつての親しみある御堂を現代に

 

真宗大谷派難波別院(南御堂)で1日、日本初となる「山門一体型ビル」(積和不動産関西南御堂ビル)がグランドオープンした。17階建てで、5~17階は大阪エクセルホテル東急が入居し、橋脚にあたる北館(全4階)が難波別院の新たな御堂会館となる。

御堂筋に面し、各種講座や上映会など市民に開かれていた御堂会館が老朽化し、再建には60年間の定期借地権設定によるビル土地活用案を採用。今後60年間の賃貸料を蓄え、次世代に難波別院本堂建て替え工事を託すこととなった。

難波別院は本願寺派津村別院(北御堂)とともに大阪のメインストリート「御堂筋」の通り名の由来ともなり、“御堂さんの屋根の見えるところで住みたい”“御堂さんの鐘の聞こえるところで商売がしたい”と、 大阪庶民に親しまれてきた。その親しみある御堂 を現代によみがえらせるため、ビル4階分に相当する15mの開口部から本堂の全容を眺められる設計とし、オープン当日も多くの人の注目を集めた。設計はIAO竹田設計、施工は竹中工務店。

セレモニーには但馬弘宗務総長をはじめ、宗門や別院、工事関係者、テナント入居者らが出席し、本堂で大町慶華輪番(大阪教区教務所長)を導師に山門落慶法要を営んだ。

但馬宗務総長は「あらゆる人に開かれた浄土真宗のお寺が、ここにあることをアピールする素晴らしい建築物となった」と喜び、大町輪番は「ホテルを有する施設が境内に建つことで新たな方々が集い、仏さまに触れていただく御縁をいただいた」と多くの協力に感謝した。

初期段階から計画に取り組んだ宮浦一郎前輪番(岐阜教区観音寺住職)は「広開浄土門で広く開かれ、誰をも区別しない、そのことを象徴する山門になった。門に入る方々が何を求め、何を感じるのか。そのことを別院側がいつも考えて、常に用意していなければならない。それこそが門の意味であり、門に入った方が『難波別院でこのようなことがあったよ』と社会に広めてくださることが大切」と語っている。