洛陽四十八願所の物的証拠 浄土宗西福寺で発見

洛陽四十八願所の物的証拠

浄土宗西福寺で発見

 

 

洛陽四十八願所が存在した物的証拠が10月上旬、浄土宗西福寺(京都市東山区)で見つかった。発見されたのは関白・二条綱平公の位牌で、「四十八願所を48度巡って回向した」と記されている。(写真)西福寺の青谷蓮葉尼が整理中の位牌の調査を、大本山清浄華院史料編纂室の松田道観研究員に依頼して明らかになった。

洛陽四十八願所は、1613(慶長18)年に源光が誓願寺の阿弥陀仏の霊告を受けて洛中の48ヵ寺を巡拝したことが始まり。現在、洛陽四十八願所は廃れてしまい、存在を裏付ける物的証拠が見つかっていなかった。

西方四十八願所を創設する際に、洛陽四十八願書を手本としたことが記される「弥陀霊場西方四十八願所縁起」に、48ヵ寺に本願文を記した位牌を納めた記録があり、今回の発見は、この記述を裏付けるものと考えられている。

青谷尼は「今回の発見が、洛陽四十八願所を復刻する機運になれば」と期待し、松田研究員は「廃れてしまった四十八願所の証拠が見つかったことは意義深い」と話した。