臨床僧の会・サーラ 「緑蔭 秋の茶話会」を開催

臨床僧の会・サーラ

 

「緑蔭 秋の茶話会」を開催

有馬代表顧問も参加者とお茶を楽しむ

 

京都府久御山町の京都岡本記念病院で31日、「緑蔭 秋の茶話会」が開かれ、臨床僧の会・サーラ(代表:佐野泰典妙心寺派法輪寺住職)所属の僧侶が、病院に訪れた人や病院スタッフの話に耳を傾けた。今回は初めてサーラの会代表顧問の有馬賴底相国寺派管長も訪れ、参加者とお茶を通して談話を楽しんだ。

サーラの会が同病院の緩和治療病棟で毎週木曜日に開く「緑蔭」は、入院患者や患者の家族がため込んでいる思いや悩みを僧侶に話し、闘病などで疲れた心を休める〝こころのオアシス〟の場となっている。年に2度、病院のエントランスホールに茶席や竹の茶室を設け、病院に訪れた人々にお茶を通じて「緑蔭」を広く伝える機会を作っている。

今年で4年目となる緑蔭の茶話会に初めて有馬代表顧問が訪れ、自身が揮毫した「緑蔭」を掲げる竹の茶室で、訪れた人々に抹茶をふるまった。有馬代表顧問は、サーラの会が同病院で活動を始めた当初、衣で病院にいることをなかなか受け入れてもらえなかったと振り返り、「今は徐々に認知が広まっている。僧侶は説法をするだけではなく、社会と関わらなければならない。精神的に揺らいでいる人々の話の聞き手になる、このような場が必要」と述べた。

宇治市から診察で来た60代の女性は、病院に貼られていたポスターを見て茶話会に参加。「手術から1年がたち、再発していないかを聞きに来た。結果がよかったためほっとし、お抹茶をいただきながらお坊さんと話をして、さらにほっとできた」と笑顔で話した。