天台宗高家寺 8年に一度の本尊開帳営む

天台宗高家寺

 

8年に一度の本尊開帳営む

明石城築城400周年などを記念

 

天台宗兵庫教区の高家寺(明石市・井藤圭順住職)は3日、県指定文化財で8年に一度公開する本尊・薬師如来坐像を開帳し、多くの参拝者らが縁を結んだ。

同寺は古代寺院・太寺(たいでら)の跡地に、初代明石城主の小笠原忠政公が再建したと伝わる。今年は忠政公が築いた明石城の築城400周年にあたり、忠政公350回忌や、境内にある太寺廃寺の塔跡修繕事業完成、明石市制施行100周年と併せ、開帳を1年早めた。

参拝した神戸市垂水区の会社員・森下照美さんは、「滅多に見られない仏さまに会えてよかった。御朱印もお願いしたい」と話していた。

法要は、教区の青年僧侶が集う「天台聲明兵庫社会奉仕会」が出仕して勤め、圭順住職が表白で同寺と忠政公の縁などを述べた。開帳では、同会が被災地で活動するための浄財を募った。法要後、圭湍名誉住職が「慶事が重なったので1年早めた。聲明を聞きながら、法要を勤められたことの喜びをかみしめた」と涙ながらに挨拶した。

圭順住職は「住職は御本尊に一番近い場所でお勤めをする。秘仏と対面しながらいろんな思いが込み上げた。檀家さん以外にも多くの人がお参りしてくれた。忠政公の遺徳にお応えできたのではないか」と語っていた。