寺社にウォーターサーバー 無償で1000台

 京都市内の寺社などに1000台のウォーターサーバーを無償で配置しようと、京都市とウォータースタンド株式会社(本多均社長、さいたま市)が2020年1月、連携協定を締結した。マイボトルを普及させてペットボトルの削減を図り、マイクロプラスチックによる海洋汚染を防ぐのが狙いだ。3年で配置を完了させる計画で、仏教教団や観光団体に協力を求めていく。

連携協定の締結式で握手を交わす門川大作京都市長(右)と、ウォータースタンド株式会社の本多均社長

 配置するのは、水道直結型で電源を必要としない浄水装置。内部に設けた3つのフィルターを通し、おいしい水を提供する。拝観者の多い寺社や公共施設に合計1000台を寄贈し、どこでも手軽に給水できる環境づくりを進めることで、マイボトルを持ち歩くライフスタイルを提唱する。
 
 工事費やメンテナンス費は、ウォータースタンド社が負担。京都市が仏教教団や観光団体との仲介役を担う。環境保全を積極的に推進しようとする企業には、有償での設置も提案していく。
 
 環境省によると、日本国内のペットボトルの年間廃棄量は約230億本で、うち京都市内は2億5000万本程度と試算されている。
 
 一方、ウォータースタンド社が大阪府内で行った調査では、府民の79%がマイボトルを持っているものの、大半が使っていなかった。同社は、浄水装置のある給水スポットが増えれば、マイボトルの利用が進み、京都市内のペットボトルの廃棄量は6000~1万本減らせるとしている。
 
 京都市は、1997年に国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で京都議定書が採択されたのを機に、環境保全活動を積極的に進めており、その一環として協定締結を決めた。節水型の洗濯機やトイレの普及で上水道使用量が低下し、水道会計の収入が減少していることも背景にあるという。
 
 マイクロプラスチックによる海洋汚染を防止する活動は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つにも掲げられている。全日本仏教会や複数の伝統仏教教団はSDGsを推進しており、ウォータースタンド社は、浄水装置の設置が寺社による社会貢献の一助になるとみて、積極的な導入を呼び掛けている。

(文化時報2020年1月22日号から再構成)
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