【速報】西山浄土宗・堀本法主が退任表明 内局受諾

 西山浄土宗管長の堀本賢順総本山光明寺第86世法主(79)が管長と法主を退任する意向を示していることが、関係者への取材で分かった。8月19日に申し入れがあり、宗内局は慰留に努めたものの、翻意は困難と判断して9月10日に正式受諾した。心身ともに健康だが、1期5年で退任する意向を2016年の就任当初から示していた。宗は、1カ月以内に次の法主を推戴する委員会を開催する。

堀本賢順法主(2020年7月撮影)


 堀本法主は1941年2月生まれ。大阪府交野市の光林寺出身。神戸大学を卒業後、大阪府庁で勤務した。師僧の逝去を機に、67年に宗門学校の西山短期大学に入学し、68年に法脈を相承する「加行」を成満。同年に光林寺住職となった。

 故上田良準第81世法主の薫陶を受け、西山教学の研究に没頭。西山短期大学教授を経て、96年から8年間にわたって同短期大学学長を務め、「広谷法談」の講師として教鞭をとった。2016年7月に管長・法主に推戴され、同年12月に晋山した。

 法主就任後は、宗議会の要請を受け、自ら「広谷法談」の講師として法脈を伝え、全国4ブロックを巡って教えを伝える「巡錫(じゅんしゃく)」も実施。昨年光明寺で営んだ大授戒会では、新型コロナウイルスの感染拡大を予期したかのように、「今後、難儀にあったり絶対的なピンチに陥ったりして、よこしまな道にそれそうになることもある。それを押しとどめるのが戒体」と垂示していた。

 西山浄土宗は、京都府長岡京市の光明寺を総本山とする伝統仏教教団。専修念仏を広めた法然上人を宗祖とし、その弟子の西山国師証空上人を派祖としている。傘下の寺院数は約600カ寺で、愛知県以西に広く分布する。

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