持続化給付金 宗教法人はなぜ除外されたのか

 新型コロナウイルス対策で中小企業や個人事業主に支給される国の持続化給付金を巡り、宗教法人を支給対象にすべきかどうかという議論が起きた。全日本仏教会などが加盟する日本宗教連盟(岡田光央理事長)が、宗教法人も対象とするよう要望。政府・与党内で議論されたが、決定には至らなかった。政教分離の原則に抵触することが懸念されたとみられるが、果たして問題はそれだけなのだろうか。(大橋学修)

当座をしのぐ資金は必要

 持続化給付金の創設は4月7日の閣議で決定。事業者に加え、「法人税法別表第2に規定する法人」も特例として給付対象にすることも決まった。ところが、別表第2に規定される宗教法人は、例外として対象から除外された。

 日宗連の要望を受けて、「政府が新たに中小の宗教法人を対象に追加する方向で最終調整に入った」と、テレビ東京が5月14日に報道。同28日には共同通信などが、政府が宗教法人を対象に含める案を一時、検討していたものの、自民党内の反発で閣議決定から除外された―と伝えた。

 仏教界では、新型コロナウイルスの影響で葬儀や法要が相次ぎ中止・延期となり、多くの寺院が減収している。日宗連や全日仏には「切羽詰まっている」「持続化給付金の支給は助かる」などの声が寄せられていた。

 これまでも、過疎化や少子化によって寺院は存続が危ぶまれていたが、コロナ禍で危機が一気に加速することが懸念された。経営破綻に伴って不活動法人が増加し、宗教法人の不正利用が進むことも心配された。

 宗教法人が公益法人に規定されている以上、経済的に追い込まれた寺院にも、当座をしのぐ資金として持続化給付金を給付すべきだと求めたのが、日宗連の要望だった。

かえって不利?税制優遇の解除懸念

 持続化給付金への待望論が出る一方で、不安視する意見も多く上がった。中でも、持続化給付金の対象となることで、宗教法人に対する税制優遇措置が解かれるのではないかという懸念が強かった。

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(文化時報2020年6月13日号から再構成)
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