真宗大谷派高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌を厳修

真宗大谷派高山教区・高山別院

 

宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌を厳修

改編後も教化の中心道場として

 

真宗大谷派高山教区・高山別院(岐阜県高山市)は5月10~12日、延べ5500人が参集して「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要」を厳修した。

12日には本堂の屋根修復、耐震工事も完遂し、美しくなった本堂に大谷暢裕門首後継者(能慈院殿)が出向。また大谷浩之鍵役(信悟院殿)が参修し、約200人の子どもが稚児行列に参加。晴天 に恵まれた中、町を挙げての御遠忌が円成した。

飛騨真宗の歴史は約770年前、親鸞聖人の弟子である嘉念坊善俊上人が白川郷鳩ケ谷に道場を築いたことに始まり、現在の本堂は幾多の火災に被災するも、1963年にコンクリート造りで再建。建築から50年がたち、屋根の破損による雨漏りなどの老朽が著しく、耐震も兼ねて、約4億4500万円をかけた大規模改修を行い、初日に落慶法要を営んだ。

真宗大谷派では教区の改編を進めており、その第一弾として来年7月から岐阜高山教区が新たに発足する。高山教区としては最後の御遠忌法要で、長きにわたる教区の歴史にいったん区切りをつけ、新たに高山別院を教化の中心道場として出発していく第一歩となった。

今回の御遠忌では「青少幼年教化事業」「同朋唱和推進事業」「帰敬式推進事業」の3本柱を重点施策に掲げた。

僧俗超えて共にお勤めをする同朋唱和を推進し、現代語訳をつけた『正信偈同朋唱和集』を刊行した上で、各寺院、組で練習を重ね、2日目の法要では同朋唱和による正信偈が本堂に響き渡った。さらに帰敬式では定員を超える210人が受式した。

御遠忌推進委員会の小原正憲委員長(教区会議長)は「本堂で同朋唱和した力を、参集した多くの方が次の世代に伝えていく大事な生き証人になってほしい」と話している。また三島多聞輪番は「御遠忌の3本柱である帰敬式、同朋唱和、青少幼年教化を今後も展開し続け、飛騨御坊照蓮寺を飛騨地域の教化の中心道場として同朋社会の実現に向けて邁進する」と決意を語り、出雲路善公教務所長は「この御遠忌により環境は整った。今後は別院を、お念仏に触れ、子や孫に伝えていく精神共同体の発信基地として、教化をより推進していく勝縁となることを念願する」と語っている。