真言宗豊山派雨引山楽法寺 金剛力士像が「慶派」の可能性大

真言宗豊山派雨引山楽法寺

 

金剛力士像が「慶派」の可能性大

帰還後は保護と公開へ施策検討

 

真言宗豊山派の雨引山楽法寺(茨城県桜川市・川田聖定住職)の仁王門に安置されている金剛力士像が、「慶派」のものである可能性が高いことが分かった。

修復に伴い一昨年から東京芸藝術大学などが調査を行い、同学で7~11日まで展覧会を開催した席で、藪内佐斗司副学長が発表した。

藪内副学長が2体のうち1体の過去の修復で貼られた布などを剥がしたところ、造られた当初の姿が現れた。

写実的でスマートな造形、足が細くて長いといった特徴から、鎌倉時代前期の運慶や快慶で知られる「慶派」の仏師によって造られた可能性が高いことが分かった。

また1体の胎内からは室町時代の木札や未開封の巻物が複数見つかった。同学で、さらに調査を進めるそうだが、藪内副学長によると茨城県下はもとより、関東地方で最も古い金剛力士像だと推測されるという。

美術史的な価値は極めて高いとする専門家の評価も受けて、川田住職は「予期せぬ展開に驚いている。文化財は保存も大事だが、公開することも大切だと考えているので、多くの人に見ていただけるようにしたい」と話す。帰還は来年と見込まれている。