高野山真言宗臨時宗会 高野山高校への追加助成を可決

高野山真言宗臨時宗会

 

高野山高校への追加助成を可決

入山料の導入についても検討

 

高野山真言宗は2日、第162次臨時宗会(安藤尊仁議長)を開き、高野山高等学校へ7000万円を追加助成することを可決した。

上程議案は「平成31年度歳入歳出補正予算案の承認を求める件」のみ。高野山高等学校に毎年6000万円を助成しているが、恒常的な資金不足により今年度は教職員の給料を支払えない状況で、緊急の助成が必要と現況を説明した。

添田隆昭宗務総長は同校の校長を務めた経験もあり、「高等学校は、宗教科だけで良い、運動クラブや進学コースは必要かとの議論があるが、中学生は高校生活において多様な友人や異性との出会いを求めており、あまり少人数だとこれを満たすことができない」と多様性の重要さを強調し、7000万円の追加助成は可決された。

同校の宗教科は1学年10人程度の生徒数だが、法律上の定員があるため教員削減にも限界がある。通信制もあるが、山上にある大学を含めた高野山学園の厳しい経営状況は、今後も予断を許さない。

一方、本山も今まで順調だった奥之院参拝収入が、外国人や観光中心の層が増加したことで減少している。

高野山大学の教育学部設置の件は次年度以降に持ち越されたが、今後高校へ毎年1億3000万円の助成が必要となれば新たな財源を探さなくてはならない。昨年度、打診された駐車場有料化には抵抗感が強く、代わる策として「入山料」が浮上している。

討議の中で岡部観栄財務部長は、参拝者数が多い奥之院を含めた内拝券のカード化を提案した。「これまで内拝しなかった人も求める可能性がある。高野山への年間登嶺者数は140万人といわれており、駐車場有料化で見込める1億円に対し、その10倍は入るのではないか」と語った。

議員からは「聖地の奥之院だけは外すべき」という意見も出たが、当局は「奥之院が入ることに意味がある」との見解を示した。今後、さらに諮問委員会で議論を重ねる。